私の息子は発達凸凹のある小学2年生。普通学級に通いながら、週2時間、通級指導教室でお世話になっています。
発達凸凹のある子どもやグレーと言われている子どもたちの親にとっては、小学校入学はとても不安なものですよね。その不安を少しでも和らげられるよう、息子の経験をもとに発達障がいの子のための小学校入学準備についてお伝えしていきます。
やることがいっぱい!と思われるかもしれませんが、大丈夫。
1つずつクリアしていきましょう。
入学準備をする前に知っておきたいこと
入学準備と言っても、就学までの流れを知らないと何をしたらいいのかわかりませんよね。そもそも発達障がいのある子が小学校へ入学するにあたり、どんな選択肢があるのかを知らない人もいるかもしれません。
そこで、まずは発達障がいの子が小学校へ進むにあたっての「学校の選択肢」と「入学までの大まかな流れ」を見ていきましょう。
知ってる?学校の選択肢
発達凸凹のある子が小学校へ進むにあたっての選択肢は、大きく4つあります。
普通学級
通級指導教室
特別支援学級
特別支援学校
各学校によって支援級の有無や生徒の数、学校の雰囲気が違うため「自分の子どもに合った学校・環境はどこだろう?」と、就学先にはとても悩みますよね。
そんな悩みを持つママたちのために、各自治体では就学相談を実施しています。就学先について不安がある場合は、まずは就学相談を受けることをおすすめします。
イメージしておこう!入学までの流れ
入学までの流れは各自治体、各個人によってそれぞれ違ってきます。すべてが1つずつ進むわけではなく、同時進行で進むものもあるでしょう。
あくまで私の息子の場合ですが、大まかな流れをお伝えしますね。
① 就学相談(就学相談説明会)
発達が気になる子の親にとって、最初にするのが自治体への就学相談です。事前に就学相談説明会がある地域もあります。
私が初めて就学相談の面談をしたのは息子が年長の6月。そこから本格的に就学準備を始めました。
② 知能検査
必要であれば、知能検査を受けることになります。学校選びの1つの判断材料になることもありますが、何よりも子どもの特性を知り、就学後に活かすことが目的です。
③ 学校見学(体験)から就学先決定
知能検査の結果や、お世話になっている先生方との話し合い、そして何より子どもの親であるパパママの意見をもとに学校を決めていきます。
同時に、近隣の学校公開に出向いて見学をするママも多いです。
私が住む地域では支援級や支援学校を希望する際、ステップの1つとして子どもの学校体験というものがありました。
就学先を決めるにあたって、教育委員会との意向が合わないこともあるかもしれません。そのときは納得いくまで話し合いを重ねましょう。
④ 就学時健康診断
すべての子どもたちが入学前に学校で受ける健康診断です。内容は健診と簡単な知能検査など、学校によって異なってきます。
ここで初めて発達のことを指摘され、就学相談へ行く人もいます。
⑤ 入学前 保護者説明会
各学校が新入生の保護者を対象に実施している説明会です。入学にあたっての準備や注意事項などについて話があります。
私はこの説明会の後に校長先生に声をかけて、面談の日程を組んでいただきました。
⑥ 校長先生との面談(希望した場合)
⑦ 入学
いかがでしょうか。大まかな流れはイメージできましたか?
では、いよいよ就学に向けての準備をしていきましょう。
発達障がいの子には準備が大切!やっておきたい入学準備
発達障がいの子のための入学準備は、大きく分けて2つあります。
1つは、幼稚園や療育先など外部と連携をとって進めていきたい準備。そしてもう1つは、家でも簡単にできる準備です。
必要な準備はその子それぞれ変わってきますが、私がやっておいてよかったと思うものをあげてみました。ぜひ参考にしてみてください。
まわりと一緒に進める入学準備
知能検査(発達検査)を受ける
就学前の発達検査は田中ビネーやWISC-Ⅳと呼ばれる知能検査であることが多いです。
子どもの特性を知り、就学後に活かすことが目的となっています。
1つ気をつけたいのは、発達検査や知能検査はあくまで子どもの一部分でしかないということ。検査は子どもを知る上で補助的なもの。毎日一緒にいるママやパパが目で見て肌で感じている情報が一番です。
就学支援シートを作る
就学支援シートとは、小学校入学にあたって保護者と幼稚園・保育園、療育機関や発達支援センターなどが一緒になって作り、学校へ引き継ぐ資料です。
子どもの特徴・特性などを記載し支援を依頼することができます。
息子の場合は、療育先と発達支援センターに作成をお願いして、後の校長先生との面談で学校へ提出しました。
校長先生と面談をする
夫と2人で行って面談をしていただいたのが入学直前の3月。
息子の特性・特徴を知ってもらい、入学直後から適切な支援を受けるために設けていただいた面談です。でも、何よりも大切だと思っていたのは「息子の成長のためにぜひ力を貸してください」という姿勢を示すこと。
これは、入学後の担任との面談やスクールカウンセラーとの面談でも同じです。
そうすることで学校側からの情報はグッと得やすくなりますし、サポートもしてもらいやすくなりますよ。
かかりつけ医を探す
自治体の発達支援センターを利用できるのは就学まで、という自治体があります。私が住んでいる地域もそうでした。
その場合は、かかりつけ医を探しておくと入学後もすぐ相談することができて安心です。何か月も待つ病院もありますので、早めに探しておきましょう。
家でもできる、入学までのちょっとした準備
給食ごっこをする
息子のように手先が不器用だったり、動きがぎこちない子におすすめしたい準備です。
何も難しいことではなく、いつもの食事をトレーに乗せて運ぶだけ。ごはんをよそってもらうなど、お手伝いをしてもらうのもいいですね。
入学前までに毎日繰り返すことで、動きがスムーズになっていきます。
文房具はシンプルなものを選ぶ
例えば、筆箱は両開きより片開きがおすすめです。発達凸凹のある子には、必要以上の機能は刺激になります。授業中、筆箱の開け閉めをずっと繰り返してしまうということも。
「機能は最低限、シンプルに」がポイントです。
子どもと一緒に学校公開へ行く
「来たことがある」という経験は安心につながります。この場合、目的は子どもに学校を見てもらって慣れ親しんでもらうこと。
ママの情報収集は別日にして、子どものペースにあわせてあげるのが良いですよ。
発達障がいの子が小学校生活をスムーズにスタートさせるために
発達凸凹のある子どもたちにとって、最初の「進路の壁」とも言われる小学校入学。新しい環境が苦手な子も多いため、入学までにどれだけ準備をできるかが小学校生活をスムーズに始めるためのカギになってきます。
とはいえ忙しい毎日の中、準備を進めるのはとても大変ですよね。でもきっと、準備を重ねることでママ自身の不安も和らいでいくはずです。
適切な支援を受けて楽しい学校生活を送るためにも、お伝えした入学準備をぜひ参考にしてみてくださいね。