発達障がいの子の中には、体幹の弱い子がいます。例えば、
転びやすい
床に寝転がって遊ぶことが多い
ダラッとして姿勢を保てない
運動が苦手
じっとしていられないetc…
こんなことはありませんか?
発達凸凹がある小学2年生の息子も、そうでした(今でもそうです)。
今回は、発達障がいのある子やグレーと言われている子によく見られる体幹の弱さと、そのトレーニングについてのお話です。
発達障がいの子に多いのはなぜ?体幹について知っておこう
発達障がいの子に体幹の弱い子が多いのはなぜでしょう。そして、体幹が弱いとどんなことが起こるのでしょうか。
「体幹という言葉はよく聞くけれど、実際のところはあまりわからない」というママもきっといますよね。
そこで、まずは体幹について知っておきたいことから見ていきましょう。
発達障がいの子に多い低緊張とは
体幹とは、体の中の頭・手・足以外の胴体部分のことを言います。
胴体の姿勢を正しく保ったり上手に体を動かすには、この体幹筋がしっかりとついていなくてはなりません。では、発達障がいの子の多くに、なぜ体幹の弱さが見られるのでしょうか。
発達障がいの子の中には、体の筋肉の張りが弱い状態の子がいます。この状態を低緊張と言います。
低緊張タイプの子は自分の体を支える筋肉が弱いので、ダラけてしまったり、すぐ疲れてしまうことがあるのです。
「低緊張タイプだと、鍛えることは全くできないの?」と不安になるかもしれませんが、そんなことはありません。
もちろん、その子それぞれのペースがありますが、年齢と共に改善されていくこともあるようです。
トレーニングを重ねることで、息子もだいぶ鍛えられてきていますよ!
体幹が弱いとどんなことが起こるの?
息子の幼児期を振り返っていくつか挙げてみました。
よだれが多く出る
階段を交互に下りることができない
平均台が苦手
保育時間中、背中が丸まりやすい
走り方が危うく、転びやすい
寝転がって遊ぶetc.
このうち、寝転がって遊ぶのは今でもよくやっています。姿勢の保持もまだまだ気になるところです。
そもそも息子は体の使い方が不器用です。そのため、すべての原因が体幹の弱さからくるものではないかもしれませんが、当時相談へ行っていた先々で、「少し体幹が弱いかな」と言われていたので、やはり関係はしているのだと思います。
発達障がいがある子は、体幹の弱さから「だらしない」「ふざけている」と思われがちです。
でも、これは本人のせいではありません。
「しっかりしなさい!」と注意をする前に、子どもを観察してみてください。「体幹の弱さが原因かな?」と思ったら、遊びながらトレーニングをして少しずつ鍛えていきましょう。
発達障がいの子におすすめの体幹トレーニング
体幹の弱さを指摘されてから、我が家で取り組んだトレーニング(遊び)をご紹介します。
上手くいったもの、いかなかったもの様々です。それぞれの子どもに合ったトレーニングを選んで試してみてくださいね。
階段の上り下り
階段の下り方がぎこちなかった息子に、幼稚園の先生からすすめてもらったトレーニングです。手すりを持たないように取り組みました。
毎日続けていると、一段ずつしか下りられなかった階段も交互に足が出るようになってきたので、効果はあったと思います。
一方で、どんな時でも「階段で行きたい」というこだわりが強くなっていき、癇癪(かんしゃく)の原因になりました。ここら辺は、子どもの様子を見ながら進めていきたいところですね。
「毎日必ず階段!」と決めなくても、おでかけした時など気軽に取り組むのも良いかもしれません。
トランポリン
体幹のトレーニングに良いとされているトランポリン。息子に発達障がいの疑いがあるとわかったとき、何かできることはないかと藁にもすがる思いで購入しました。
最初はなかなか上手に飛べなかった息子も、毎日飛んでいると上手に飛べるようになりました。
これは、本人だけでなく遊びに来たお友達にも好評だったので購入してとても良かったと思っています。
体をたくさん動かしたいADHDの傾向がある子にも、おすすめですよ。息子は今でも妹と一緒にピョンピョン飛んでいます。
ケンケン
ケンケンがなかなか上手にできなかった息子ですが、幼稚園でやった運動遊びをきっかけに、頑張るようになりました。
続けていくとわかりやすく成長が見られて、本人のモチベーションも保ちやすかったトレーニングです。
最初は回数を数えるだけでしたが、そのうち床にモノを置いてその周りを回るようになりました。
散歩中には「次の電信柱までケンケンで行く」とルールを決めて遊ぶことも。かけっこではなくケンケンで競争をするなど、ゲーム感覚で取り組むのも楽しいですよ。
手押し車
夫がメインで頑張ってくれました。始めたばかりはすぐに疲れてしまうかもしれませんが、筋力がついてくるとどんどん進めるようになります。
最初は足首ではなく、ふくらはぎや膝のあたりを持ってあげた方が取り組みやすいかもしれません。体が真っすぐになるようにすることがポイントです。
今もやっていますが、大きくなってきた息子を持つ夫は大変そう…。
小さい頃から始められるといいかもしれませんね。
アスレチックを楽しむ
アスレチックは、体幹を鍛えられる遊びの宝庫です!
でも、これは我が家ではちょっと失敗でした。
今でこそ体を動かすことが大好きになり公園も喜んで行く息子ですが、当時は体幹の弱さもあって遊具で遊ぶのに抵抗がありました。
そのため、色々なアスレチックに連れて行ったものの、いつも「こわい」と泣かれる始末。「頑張れ頑張れ」と私たち夫婦は必死になりましたが、お互い疲れて終わるだけでした。
彼の成長を待ってあげた方がいいと気づいたのは、もう少したってからのこと。
体幹が弱いと、体を支えることができないためアスレチックや遊具に不安を覚える子が多いです。
子どもの様子をよく観察して、「楽しい」を大事にしてあげてくださいね。
発達障がいの子に寄り添った体幹トレーニングから始めてみよう
発達障がいの子の中には、息子のように体を動かすことに対して強い不安を持っている子がいます。そのため、ママたちが簡単にできると思う遊びやトレーニングでも、本人にとっては高いハードルになることも。
そのことに気付かず無理強いしてしまうと、更に苦手意識を強めてしまって逆効果です。
一番大切なのは、子ども自身が「遊び」という感覚を持って楽しんで取り組むこと。
ママたちの焦る気持ちもわかりますが、子どもに寄り添って、本人が笑顔になれる体幹トレーニングから始めてみてくださいね!