離乳食は医師の指示がない限り、5ヶ月ごろから始まります。8ヶ月は離乳食中期にあたり、離乳食にもだいぶ慣れてきた頃ですね。
この頃の赤ちゃんは活発に動くようになり、表情も豊かになります。歯もだんだん生えてきて、食べ物への興味がさらに広がってくる時期でもあります。
離乳食中期では、初期に比べてさらにいろいろな食材や味にチャレンジしていく時期です。離乳食8ヶ月ごろの注意点と、食べられる食材について解説します。
生後8ヶ月は離乳食中期
生後8ヶ月は離乳食中期にあたり、離乳食中期の2ヶ月目です。離乳食初期に比べて、いろいろな食材や味を使っていくことになります。赤ちゃんの前歯が生えてくる時期でもあり、赤ちゃん自身もいろいろな食べ物に興味を持ってくるので、食事の時間が楽しみですよね。
離乳食中期は、いろいろな面で離乳食初期とは違い、注意しなければならないポイントも出てきます。ここでは離乳食中期の特徴と、注意点について詳しく解説します。
離乳食中期の特徴とは
離乳食中期は、2回食が始まるのが最大の特徴です。今まで1回だったものから複数回になり、食事のリズムをつけていくことに。2回目の食事も1回目とほぼ同量を食べさせることになるため、食事からとる栄養がグンと増えます。
2回食となっても、母乳に関しては赤ちゃんが欲しがったらあげるようにしてください。ミルクに関しては、200mlを1日5回が目安となっています。ただ、ミルクや母乳の量には当然ながら個人差があります。赤ちゃんの様子をみながらあげるようにしましょう。
前歯が生えてくるころでもあり、舌の力も強くなってきます。離乳食中期はもぐもぐ期とも呼ばれており、食べ物をつぶして飲み込む練習をする時期です。そのため離乳食初期ではすりつぶしてペースト状にしていましたが、中期では食材を舌でつぶせる固さにし、3mm角程度に切り刻むという調理法に変わります。
初めて食べる食材に注意
離乳食中期からは2回食になり、チャレンジする食材もグンと増えてきます。初めて食べる食材で気をつけたいのが、アレルギーです。特に食物アレルギー7品目、アレルギー20品目の合計27品目を食べさせるときには注意が必要です。
アレルギーにはいくつかの型があり、もっとも多いと言われるのが「即時型食物アレルギー」です。この場合は、食べた直後から30分くらいで症状が出ることが多いです。一番多い症状は皮膚症状で、かゆみやじんましん、発赤などが代表的なものです。
離乳食初期と同様に初めて食べる食材は午前中に食べさせ、しばらく様子をみます。顔が赤くなったりじんましんが出たりするようなことがあったら、食べた食材を記録してすぐに病院を受診しましょう。
離乳食中期に食べられる食材
離乳食中期になると、調理法次第で食べられるものが増えてきます。ものによっては注意しなければならないこともありますし、積極的にはあげないほうがいいものもあります。
ここでは食材の種類ごとに、離乳食初期に食べられるものを紹介します。注意事項と簡単な調理法も、合わせて解説していきます。
米・パン・麺類
米・パン・麺類については、意外と食べられるものは多くありません。実際に食べられるのは米、食パン、米粉、うどん、そうめん、マカロニ、スパゲッティくらいです。米は、最初のうちは7倍粥に、慣れてきたら5倍粥にしましょう。
パンについては、耳が固いので取り除く必要があります。うどんとそうめんは、実は両方とも塩分を含んでいます。そのためゆでた後に水にさらして、塩抜きをしっかりしてからあげてください。マカロニ・スパゲッティは舌でつぶせるくらい柔らかくゆでてから食べさせます。
パン・うどん・そうめん・マカロニ・スパゲッティはすべて小麦を使った食品です。小麦は食物アレルギー7品目のうちのひとつですので、初めて食べさせるときには十分注意しましょう。
大豆製品・豆類
大豆製品と豆類については、食べられるものが多くあります。豆腐・高野豆腐・きな粉・納豆・大豆・豆乳・枝豆・そら豆・グリーンピース・さやいんげんはすべて食べられます。
高野豆腐は少し特殊で、乾物のまますりおろすか細かく刻んでからもどします。きな粉は量は少なく風味付け程度にしておきます。納豆はひきわりか、細かく刻んで食べさせるようにします。グリーンピースは外皮が消化しにくいため、柔らかくゆでてから薄皮をむき、細かく刻んでください。
大豆製品と豆類の注意すべき点としては、すべて加熱してからあげることです。殺菌にもなりますので、豆腐や豆乳などそのまま飲食できるものについても加熱をしましょう。また大豆はアレルギー20品目のひとつです。初めて食べさせるときは午前中に、スプーンひとさじからあげるようにしてください。
卵・肉・野菜・果物類
卵や肉類は、少し注意が必要です。卵は、最初は卵黄から食べさせるようにします。卵黄はしっかり加熱したものをすりつぶして、バサバサするので水分で伸ばしてあげることをおすすめします。卵白は卵黄に慣れてから、こちらもしっかり加熱します。卵は食物アレルギー7品目のひとつ。最初にあげるときは気をつけてください。
肉類は、食べられるものがかなり少ないです。鶏のササミ、鶏の挽き肉、鶏のむね肉は食べられますが、他は食べられないか、積極的にあげる必要はないものです。最初は脂分のもっとも少ない鶏のササミからあげて、慣れてから皮を取り除いたむね肉へと進んでください。しっかり加熱するのも忘れずに。
野菜については、加熱さえすればかなり食べられるものが多いです。この時期に食べられないのは食物繊維の多いもので、もやしやたけのこ、セロリ、ごぼうなどが該当します。刺激物になる青じそやにんにく、しょうがも食べられません。
果物はアレルギーの心配があるパパイア、マンゴーや、食物繊維の多い柿は避けるようにしましょう。
魚類
魚類は覚えるのが簡単です。白身魚以外は基本的に食べられず、もっともおすすめできるのは鯛、ヒラメ、カレイです。鱈と鮭も食べられますが、両方ともアレルギーを引き起こす可能性があるため最初は気をつける必要があります。
まぐろとカツオも食べられなくはないですが、積極的にあげる必要はありません。鯛、ヒラメ、カレイを中心にして食べさせると良いでしょう。しらす干しもしっかり塩抜きすれば食べられます。
乳製品
乳製品はプレーンヨーグルト、カッテージチーズ、牛乳の3種は食べられます。プレーンヨーグルトは無糖のものを使うことと、牛乳はしっかり加熱することがポイント。乳は食物アレルギー7品目のひとつなので、最初にあげるときは慎重に慎重を重ねてください。
離乳食は食べる練習!赤ちゃんのペースでゆっくりと
離乳食が始まるとママやパパの苦労も増えますが、いろいろなものを食べてもらえるという喜びもあります。離乳食は基本的に「いろいろな食物に慣れる」「口でかみ、つぶして飲み込む練習」が目的です。味付けをするとあっさり食べてくれることもありますが、離乳食は素材の味を生かして調理してください。
あまり幼少期から濃い味に慣れてしまうと、塩っぱい味に対して鈍感になり、将来肥満や生活習慣病を起こすことに繋がります。薄味でゆっくりと、赤ちゃんのペースであげるようにしましょう。