生後9ヶ月頃から始まった後期離乳食、1日3回の食事にも慣れてきた生後10ヶ月。
「そろそろ生後10ヶ月だし、離乳食の中で手づかみ食べを本格的にスタートさせたい」と思っているパパ・ママも多いはず。
でも、生後10ヶ月の赤ちゃんの中には、手づかみ食べをしてくれなかったり、感触を嫌がる子もいますよね。
今回は、現役保育士の私が
生後10ヶ月の手づかみ食べのメリット
生後10ヶ月離乳食と手づかみ食べの準備と進め方
生後10ヶ月で手づかみ食べをしてくれないときの対応
について、分かりやすく解説していきます!
生後10ヶ月の離乳食…「手づかみ食べ」って本当に必要なの?メリットとは?
「手づかみで食べるなんてマナーが悪い!」と思ってしまう方もいるかもしれませんね。
離乳食を進める上で手づかみ食べは積極的に取り入れるべきだと、近年さらに注目されています。
手づかみ食べは成長の中で必要なステップのひとつなのです。
そして、子どもがいるとただでさえ大変なお掃除。
手づかみ食べが始まると、食事後のテーブルや床がグチャグチャに…なんてことは容易に想像できますよね。
「そんな大変な思いをしてまで、手づかみで食べさせるのって必要?」とお考えの方に是非知って欲しい手づかみ食べのメリットをご紹介します!
五感をフルに使って脳を刺激!
最も大きな理由が、自分で触って口に運ぶことで五感を刺激するということ!
食材の中には、あたたかいもの、冷たいもの、柔らかいもの、少し歯ごたえのあるものなど様々なものがあります。
それらを触ることで、赤ちゃんは指先から様々なことを吸収していきます。
目でみた素材に手を伸ばし、温度や素材、柔らかさと共に感じた、香り、味覚、咀嚼音は赤ちゃんにとって全てが刺激的!
自分で食べることで、「どれくらいの力で持てばいいのか」などの力加減も分かるようになりますよ。
様々な刺激を受けながら、口に運ぶ練習を繰り返すことになるので、手先も一気に器用になります。
手先が器用に!
はじめはぎこちない手先の動き。
手のひら全体で掴んだり、ぎゅっと握ることができる時期から成長し、親指と人差し指でつまむことができるようになってきた生後10ヶ月。
スティック状の食パンなどを食べる際、手のひらから出ている部分を食べることはできても、手のひらに隠れている部分を食べることは難しいですよね。
持ち替えたり、タイミングよく手のひらを開いたりすることでうまく食べられるようになります!
その練習を日々繰り返すことで、手指の分化が促進されていきます。
赤ちゃんの意思表示
「これが食べたい」という赤ちゃんの意思表示でもある手づかみ食べ。
いくつかあるメニューから自分で選んで食べる”選択能力”にも繋がります。
赤ちゃんが自分の意志や気持ちを表現する練習としても是非取り入れてあげたいですね。
かじりとりの練習になる
生後10ヶ月の赤ちゃんにとって”一口の適切な量”を知ることはとっても重要。
スティック状の野菜やパンなどの手づかみ食べは、楽しく自然に一口量を理解することに繋がります。
また、かじりとるコツ、咀嚼の力、噛む力加減なども学んでいきますよ。
前歯でかじりとることで、咀嚼を促すことにも繋がります。
手づかみ食べをさせてみよう!準備と進め方、援助ポイントを解説!
手づかみ食べを進めるために必要な準備やポイントをご紹介します。
はじめはあまり難しく考えず、赤ちゃんの気の向くままにゆったりと取り組んであげてくださいね!
はじめはおやつ(間食)から取り入れよう
「ちゃんとしたレシピで手づかみ食べ用のメニューをつくらなきゃ!」と気合い充分のパパ・ママもいるかもしれませんが、そんなに難しく考えなくても大丈夫!
まずは、おやつの時間から気軽に始めてみましょう!
食材も切るだけのもので大丈夫!食パンスティックや茹でた野菜スティックなどがおすすめ。
市販のベビーせんべいでも手づかみ食べの練習になりますよ!
手づかみ用の皿を準備してあげよう!
食べることが大好きな赤ちゃんならば、どんどん詰め込んでしまうこともしばしば。
詰め込みは窒息につながる危険な行為です。
適切な一口量が定着するまでは、手づかみ用のお皿を準備して、飲み込んでから次の食材を置いてあげるようにしましょう!
汚れてもいい環境を準備してあげよう!
パパ・ママが一番恐れているのは、床やテーブル等に落ちる食べこぼしではないでしょうか?
ですが、赤ちゃんには綺麗に食べさせることはほぼ不可能!!
この一時期のことですので、思いっきり食べさせてあげてくださいね。
そのためには、汚れて困るカーペットの上などは避けて、床にシートを敷くなどの対策をするとお掃除が楽になりますよ!
持たせようとしてみる…?無理強いはNG!!!
「発達のために…」と無理やり手に持たせようとしていませんか?
あくまでも、赤ちゃんが自分の意志で掴むことが大切。
無理に持たせるのは、赤ちゃんが食べたい物ではなかったり、手づかみ食べに対して嫌な気持ちを持ってしまう可能性があります。
手づかみ食べをしてほしいという気持ちはもちろん大切です!赤ちゃんが”自分で食べたいな”と思った時に手を伸ばせるような環境を作って待ってあげてくださいね。
その子のペースで進めていきましょう!
どうしても手づかみ食べをしてくれない!そんな時のチェックポイント
早くて8か月頃から手づかみ食べをする子が出てきます。
一方で、全く手づかみで食べようとしなかったり、感触を嫌がる子、食材を触るものの遊んでしまう子などもいるのです。
お子さんが「なかなか手づかみ食べをしてくれない」と心配しているパパ・ママもいるかもしれませんね。
深刻に考える必要は全くありませんが、以下のチェックポイントを一度確認してみてください。
赤ちゃんの生活する環境を整えることで手づかみ食べを促すことができるかもしれません。
遊びの中で口にいれる練習はしていますか?
玩具などを赤ちゃんが口に運ぶ遊びを存分にさせてあげていますか?
「それは口にいれたら汚いから…」と、つい止めてしまうこともありますよね。
赤ちゃんが遊びの中で手で持った玩具などを口に運ぶのは「目と手の協応」が進んでいる証拠。
「目と手の協応」が進んでいくことで、食べ物を口にスムーズに運ぶことができます。
もし、遊びの中で「ダメ」といわれていたら、モノを口に運ぶことに消極的になってしまっているかもしれません。
落ち着いた環境で食べていますか?
「あ!お醤油とってくる!」「あれも食べて!」など、パパやママが食事中に立ち歩いたりしていませんか?
もしくは、テレビの音量が大きかったり、テーブルの上に食事以外に必要のないものが置かれている…なんてことはありませんか?
赤ちゃんはいろいろなことが気になる時期。食事以外の刺激が多すぎると、食事に集中できないのです。
赤ちゃんの食事は、準備を整えてから行い、落ち着いた雰囲気を大切にしましょう。自然と食事に気持ちが向くはずです!
姿勢はどうですか?赤ちゃんの足は床や足置きについていますか?
例えば、赤ちゃんが食事する際、足が床や足置きにしっかりついていますか?
椅子や机が赤ちゃんにあっていないと姿勢が崩れてしまいます。
姿勢が崩れてしまうと、体が未熟な赤ちゃんは自分の思い通りに手や指を使うことができません。
赤ちゃんが快適な姿勢で、自分の力で食事をするためには、足がしっかりついているかをチェックしましょう。
大人でも、足が浮いていると姿勢を保つのは難しいですよね。足でしっかり踏ん張ることで、腰への負担を軽くすることもできます。
好きなメニューをあげてみよう!
ありがちな方法ですが、最も効果的な方法ではないでしょうか?
やっぱり「食べたい!」という意欲が赤ちゃんの力を最も引き出してくれます!
フルーツでもお野菜でもお菓子でも、食後に好きなものを手づかみで食べられる形状であげてみましょう!
一度食べてくれなくても、何度か挑戦していくうちに食べてくれるかもしれません。
赤ちゃんとパパ・ママのペースで大丈夫!大変なのは今だけと割り切って!
今は手づかみで食べてくれない子も、いつかは必ず自分でご飯を食べられるようになります!
深刻に考えず、赤ちゃんと楽しく穏やかな雰囲気で食事をしていってくださいね。
今の赤ちゃんにはパパ・ママと一緒に食べる時間がなによりの幸せ。
無理強いはせず、ご紹介したチェックポイントを参考にしてみてください。
少しでも赤ちゃんのパパ・ママの参考になれば嬉しいです。