授乳の時間やお昼寝の時間など生活のリズムがやっと少し安定してホッとしたのも束の間、急に夜泣きが始まったと悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
赤ちゃんは何故夜泣きをするのか?夜泣きのピークはいつ頃なのか?いつ頃から始まり、いつ終わるのか?夜泣きにどう対処すれば良いのか?など夜泣きに関する疑問にお答えします。
夜泣きとは?いつからいつまで続くの?
夜泣きに関して多くの育児書は、「理由が分からず、夜中に泣くこと。夜中に起きて眠れずにぐずっていること」などと定義しています。
辞書などでは「夜中に空腹やオムツが濡れて泣くことなど」と書いてあるものもありますが、親として悩むのは、「理由が分からず泣いていること」だと思います。
ここでは赤ちゃんの睡眠の発達に関することと、夜泣きが始まる時期、いつになったら終わるのかについて見ていきましょう。
赤ちゃんの睡眠は実は「ぐっすり」ではない⁉
人間は、浅い眠りであるレム睡眠と深い眠りであるノンレム睡眠を繰り返しています。大人の場合、レム睡眠とノンレム睡眠の1回のセットにかかる時間は90分程度ですが、赤ちゃんは40~60分程度、2歳で75分、5歳でようやく大人と同じ90分に近づきます。
また、ノンレム睡眠、レム睡眠共に大人より浅く、覚醒しやすいため、赤ちゃんから幼児期にかけてはちょっとした音や刺激でも夜中に頻繁に起きてしまうのです。
赤ちゃんはぐっすり眠っているイメージがありますが、実は大人よりもずっと眠りが浅いのです。眠りも発達していくものなんですね。
いつから始まっていつ終わるの?
夜泣きは早い子では4ヶ月くらいから始まりますが、だいたい6ヶ月~8ヶ月頃がピークでその時期から気になり始めるママが多いようです。
いつ終わるかも個人差がありますが、だいたい1歳半~2歳頃まで続くことが多いようです。
夜泣きの原因
夜泣きの原因となるものについて詳しく見ていきましょう。
何故夜泣きをするのか?暮らしの中で夜泣きの原因となり得るものを知ることで、対策がしやすくなります。
また、たとえ改善がなかなか難しいことでも、理由が分かることで気持ちが軽くなるかもしれません。
原因を知ることは、放置しても良いものなのか?何か改善を試みた方がいいものなのか?など対策を考える上での指標にもなります。
寝言
眠りが浅い赤ちゃんは寝言も多くなります。
大人がレム睡眠の時間に頻繁に寝返りをうったり、寝言を言ったりするのと同じです。赤ちゃんの時期は泣くことがコミュニケーションなので、寝言も泣くことになります。
寝かしつけの習慣
夜寝る前におっぱいを飲むなど、何か「寝かしつけ」の習慣がありませんか?「これをしないと寝てくれない」というものがある場合は、それが夜泣きの原因になっている可能性があります。
赤ちゃんはママが寝る前に無意識に行った行動であっても、それをしてもらうことが安心に繋がっていることがあり、その場合、毎回同じパターンの寝かしつけをしてもらうことを望むようになります。
寝かしつけるときに授乳をしていて、それが「寝かしつけ」の習慣になっている場合、夜中に目覚めてしまった赤ちゃんが再び寝ようとしても、ママは寝ているため授乳してもらえません。
すると、上手く眠れなくて泣きだし、ママが起きて授乳するというパターンになってしまったりします。
このパターンが出来上がってしまうと、お腹が空いていないのにも関わらず、夜中に赤ちゃんが起きるたびにおっぱいをあげることになり、ママに負担がかかってしまうことがあります。
体内時計が整っていない
「夜寝る時間が遅く、朝もゆっくり寝ているのでママが家事など用事を済ませる間寝かせておく」という生活をしていませんか?
人間の生活は意識せずに放っておくと、睡眠のリズムがどんどん後ろにずれていきます。その結果、常に時差ボケのような状態になり、夜中眠くなくてぐずったり、日中も不機嫌になったりすることがあります。
夜泣き対策
夜泣きは原因によって対処方法が変わってきます。ここでは夜泣きの原因の見分け方と対処方法をご紹介します。
場合によっては生活習慣を変えなければならないこともあり、最初は大変かもしれませんが、何日か続けるうちに慣れてきます。
夜泣き対策に新しいことを取り入れる場合には、赤ちゃんとママの調子がいいときを選んで、無理のない範囲で少しずつ始めてみてください。
寝言泣きはそっと見守ろう
40分~60分に1回定期的に泣くような場合は寝言の可能性が高いです。
寝言泣きは、ママに何かを要求しているわけではありません。それなのにすぐに抱っこしたり、オムツをチェックしたりするのは、寝言を言うたびに、無理やり赤ちゃん起こすことになってしまいます。
「寝言かな?」と思ったら、2~3分様子をみましょう。
寝かしつけのやり方を変えよう
「必ず授乳しないと寝ない」「立って抱っこしないと寝てくれない」など夜中に行うにはその方法が大きな負担になっている場合には、寝かしつけのやり方を変える必要があります。
寝かしつけのやり方を変えるときに重要なポイントは、2つです。
1つ目は、赤ちゃんが安心出来る方法であること。
赤ちゃんが眠りに入るためには安心感が必要です。「眠るということは、無防備で敵に襲われても抵抗出来ない状態なので、赤ちゃんにとっては本能的に恐怖を感じる行為だ」と分析する専門家もいます。
そこでおすすめなのが、「赤ちゃんの安眠グッズ」を作ること。「安眠グッズ」といっても特別なものを用意する必要はありません。
ガーゼタオルなど触り心地の良い布製のものがおすすめです。汚れたら洗えるように同じものを数枚用意しておくと、安心ですね。
2つ目のポイントは、ママが楽なものであること。
タオルの例にも言えることですが、とにかく簡単で、負担がかからず、すぐに出来る方法で寝かしつけましょう。トントンを軽く体をたたいているだけで寝る子もいますし、トントンは嫌がるけれど、体をくっつけていることで安心して眠れる子もいるようです。
最初は上手くいかないかもしれませんが、数日経てば別の寝かしつけのやり方にも慣れてくることが多いようです。
一度寝かしつけの方法を変えたら、1週間は続けてみましょう。
生活リズムを整える
朝7時頃までにはカーテンを開け、優しく声をかけます。赤ちゃんがしっかり起きたのを見計らってリビングなど別の部屋に連れていきましょう。こうすることで、日中と夜の区別がつきやすくなります。
日中は出来るだけ外に出て遊びましょう。
出来るだけ午前中に太陽の光に当たるように心がけてください。睡眠の質を高めるメラトニンというホルモンが分泌されやすくなります。
寝かせる30分前までにはお風呂や歯磨きなどを全て済ませ、布団に入って、親子でゆっくり出来る時間を作ります。こうすることで、心穏やかに眠りに入ることが出来るようになります。
生活習慣に関わることなので、変えることはなかなか難しいかもしれませんが、夜泣きが酷い場合には、出来るところから少しずつ実践してみると良いでしょう。
夜泣きには必ず終わりがあります
赤ちゃんが夜泣きをするたびに、「私の方法がいけないのではないか?」と申し訳ない気持ちになっていませんか?
赤ちゃんの夜泣きは自然なことで、個人差も大きいものです。夜泣きが多いからといって、それはママのせいではありません。赤ちゃんの様子をよく見て、原因を考え、出来るところから対処法を試してみましょう。
それが、もし上手くいかなくても落ち込まないでください。夜泣きには必ず終わりがやってきます。
本当に辛いときは、パパに夜の対応をお願いしたり、日中預けられる人に頼んで昼寝をしたりするなど、頼れる人にどんどん頼って夜泣きの時期を乗り切るのも一つの方法です。赤ちゃんとママが笑顔で過ごせる方法を見つけましょう。