赤ちゃんにたんこぶが出来たらどうする?チェックするポイントは?

「ベッドから転落したり」「おすわりで倒れたり」「階段から転落したり」など、赤ちゃんの体の動きが活発になり、行動範囲が広がると、家庭内でのアクシデントもどんどん多くなっていきます。

時には頭をぶつけてたんこぶができてしまうこともあるでしょう。赤ちゃんの頭部打撲は重大な事故につながることもあるので注意が必要です。万が一の時の危険度やチェックポイントについてご紹介していきます。

「たんこぶが出来たら心配ない」って本当?頭を打ちやすい原因も

頭を打った時、「たんこぶができたから心配ない」などと聞いたことがありますが、それは本当なのでしょうか?

また、赤ちゃんが頭を打ちやすい原因についてもご紹介していきます。

赤ちゃんが頭を打ちやすい原因

子供の事故の中でも、命の危険や重大な後遺症の恐れがある「頭を打った」ですが、国民生活センターの調査によると、子供の年代別では0〜4歳の事故発生数が多く、そのなかでも1歳が最も多いとされています。

赤ちゃんは全身に対して頭が大きく、重心が上にあるため転倒しやすくなっているのです。

また、「視界が狭く周囲の物に気づきにくい」「興味の対象に関心が集中しがち」「運動能力や腕力などが未熟」などが原因で頭を打ってしまうのです。

そもそもたんこぶとは?

一般にいう「たんこぶ」は皮下血腫のことで、頭皮と頭蓋骨の間に血液が固まっている状態を指します。皮膚が赤く点状に変色していて触ると硬く、血液は1〜2週間で自然に吸収されるようになっています。

まれに、ぷよぷよとした柔らかいたんこぶができることもありまが、これは皮下血腫よりも少しだけ層が深いところ。つまり、腱膜と骨膜の間や骨膜と頭蓋骨の間に血液が溜まったもので、「腱膜下血腫」や「骨膜下血腫」と呼ばれています。

これらも自然に吸収されることが多いものの、皮下血腫よりも危険性が高いので、大きくてやわらかいたんこぶができた時はできるだけはやく病院を受診しましょう。

「たんこぶができたから心配ない」という言葉を当てにせず、適切に対応することが大切です。

打撲が強い場合、頭蓋骨や脳に影響がある場合があります。たんこぶの種類を問わず、大きなたんこぶ「直径3cmを超えるようなもの」ができた場合や、たんこぶがどんどん大きくなってくるような場合は受診しましょう。

特に、頭蓋骨がやわらかい2歳未満の子供は、より注意が必要です。

たんこぶの応急処置

たんこぶができた時、出血していたら、乾いたタオルで強く圧迫して止血します。その後、腫れている部分を冷やしてあげましょう。安静にして数時間後様子をみます。

ただし、次に挙げる「救急車を呼んだ方がいい場合」「受診した方がいい場合」に当てはまる様子があれば、すぐに行動を起こしてください。

場合別のチェックポイント

赤ちゃんが頭を打ったときの対応を、緊急度別に「救急車を呼んだほうがいい場合」「受診したほうがいい場合」「様子をみていい場合」に分けて解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

救急車を呼んだほうがいい場合

赤ちゃんが頭を打った後、以下のどれか1つでも当てはまる症状がある場合は、危険な状態だと考えられますので、急いで救急車を呼びましょう

けいれんを起こしている

意識がもうろうとしている

手足で動きにくいところがある

サラサラした液体が鼻や耳から出ている

頭や耳からの出血が多い(押さえても止まらない)

興奮している、または、起こせば起きるがぐったりしている

これらは非常に危険なので、どれか1つでも症状があった場合は迷わずに救急車を呼んでください。

受診したほうがいい場合

上記以外でも、赤ちゃんが頭を打った後、以下のどれか1つでも当てはまる症状がある場合は、2時間以内を目安に、頭部CT検査が受けられる脳神経外科などを受診してください。

3回以上吐いた

ケガの後、または、ケガをした時に5秒以上の意識消失があった

腫れたところを触るとペコペコする場所がある

大きな力が加わるような形でぶつけた(1m以上の高所から落ちたなど)

首の後ろを触ると痛がる

首をかしげる姿勢をとっている、または、まっすぐ体を向かせても横を向いてる

頭部から出血していたが止まった、または、圧迫止血で止まっている

親から見て普段と様子が違う

前頭部以外の場所にコブがある

こういった症状がある場合、CT検査を受けて異常があるかどうかを確認します。

なお、上記の症状が当てはまらない軽症と考えられる頭部外傷の場合、「とりあえず様子見」とCT検査を受けることはすすめられません。被曝のリスクも考慮し、必要と判断された場合に受けることが大切です。

様子をみていい場合

赤ちゃんが頭を打った後の様子が以下のような場合は、様子をみていいでしょう。または、通常の診察時間内にかかりつけの小児科を受診しましょう。

保護者から見て普段と様子が変わらない

おでこ以外にたんこぶがない

意識がはっきりしている、けいれんがない

激しい打ち方でない

触って頭の骨のずれがない

嘔吐や激しい頭痛がない

赤ちゃんの様子を見て適切な対応を

いかがでしたか?本記事では赤ちゃんにたんこぶができたときのチェックポイントと、赤ちゃんが頭を打ってしまう原因についてご紹介してきました。

赤ちゃんの運動能力が発達すると、動きのバリエーションが増え、行動範囲も広くなります。その一方、頭が重く、視界も狭い赤ちゃんは、大人が思う以上に転倒・転落の危険と隣り合わせなのです。

十分に安全に配慮していても、頭にたんこぶを作ってしまうこともあるでしょう。そんなときは、本記事でお伝えしたような受診の目安を念頭に入れ、適切な対応をしてください!!

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