子育てには、発達や病気に関すること、仕事との両立、周囲の人との関係など悩みや不安がつきものです。そんなとき、相談出来るところがあることを知っておくと、心身の負担を減らすことが出来ます。
近年、行政が推進している子育て支援にはどのようなものがあるのでしょうか?
子どもを預けたいときや誰かに相談したいことがあるとき、子どもを連れて出かけたいときなどに利用出来るサービスについて具体例をご紹介します。
子どもの預け先について
子どもと出来るだけ一緒にいたいと思っても、仕事や病気、介護などで、子どもを預けなければならないご家庭も多いと思います。また、家庭保育の場合も、急病や冠婚葬祭で子どもを預ける必要が出てくることも考えられます。
事前に、預け先になり得る施設の特徴について見ていきましょう。
子どもの年齢や体調、家庭の状況によって、利用出来る施設が異なりますが、どの施設も市区町村で利用についての説明を聞くことが出来ます。
保育所、幼稚園、認定こども園
0~3歳までの子どもの場合、両親が共働きであることや介護、疾病、求職活動中であること、通学など、何らかの事情で家庭での保育が難しいときは、これらの施設を利用することが出来ます。
保育所は児童福祉の側面が強く、幼稚園は教育的な側面が強いと言われます。どちらの特徴も併せ持つのが認定こども園です。
しかし、最近は、リトミックを取り入れる保育園や延長保育を手厚く行う幼稚園などもあり、実際のところ個々の施設ごとに特色があります。
3歳から小学校就学前までの子どもは親の事情に関係なく、教育的な観点から幼稚園、保育園、認定こども園への入園が認められています。
子どもを預けることが可能な年齢や時間は、市区町村へ申請した書類をもとに決定されます。申請の仕方や各施設については、市区町村の子ども福祉課など、担当課に問い合わせをすると詳細を聞くことが出来ます。
病児保育、一時預かり事業
病児保育は、子どもが熱を出したときなど保育園で預かってもらえないけれど、家庭保育が出来ない場合に利用することが出来ます。病児保育には、看護師が巡回しているところや病院の受診代行を行っているところなどそれぞれ特色があります。事前に登録が必要なところが殆どなので、利用を考えている場合には早めに登録しておくと良いでしょう。
一時預かり事業は、冠婚葬祭や急用などやむを得ない場合のほかにも「美容室に行きたい」「育児に疲れた」など理由を問わず利用することが出来ます。
ただし、市区町村や施設によっては、利用条件を設けているところもありますので、利用したい施設のホームページなどで詳細を確認しましょう。
児童館、放課後児童クラブ
子どもが小学生になると、児童館や放課後児童クラブに預けることを検討するご両親も多くなると思います。
児童館と放課後児童クラブは同じような名称ですが、児童館は児童の遊ぶ場を提供するのが主な役割であるのに対し、放課後児童クラブは家庭に代わって放課後の生活を保障する役割があります。
児童館は自由に出入り出来るのに対し、放課後児童クラブは学校から直接施設に行くことになっており、保護者のお迎えが必要です。どちらを利用するかは、子どもの年齢や両親が家に居ない時間などを加味して決めることになるでしょう。
子育てのこと、どこに相談先すれば良い?
子育て中の悩みは、発達のこと、周りの人との関係性、子どもとの関わり方まで多岐にわたります。
どこに相談したら良いのか分からないときは、行政窓口に配置されている利用者支援専門員に聞いてみましょう。相談内容に合った機関を紹介してもらえます。
自治体によって名称は異なりますが、子育てコンシェルジュなどと呼ばれることが多いです。ここでは、紹介先となる機関についてご説明します。
ファミリーサポートセンター
ファミリーサポートセンターは、子育て中に援助を受けたい人と援助を行いたい人とを結びつけ、調整を行う機関です。
具体的には、保育施設までの送迎や子どもの一時預かり、病児の預かりなどを行っています。
利用には一人親世帯など条件がある場合もあります。また、会員登録制なので、利用を考えている場合には事前に相談し、登録しておきましょう。
保健センター
赤ちゃんの健診が保健センターで行われることはご存じの方も多いと思いますが、それ以外にも、育児ストレスに関することや子どもの健康や発達に関する相談をすることが出来ます。
児童相談所、家庭児童相談室
児童相談所は法律により、都道府県や政令指定都市に少なくとも1か所設置されることとされています。
子どもを守ることを目的として設置されており、匿名の相談も可能で、親以外の人(学校の先生や近所の住民)も相談することが出来ます。
一方、家庭児童相談室も子どもについての相談を受け付けている施設ですが、設置義務はなく、自治体が独自に設置しているものです。
家庭児童相談室は育児の悩みをもっと気軽に相談出来るようにという自治体の取り組みとして設置されており、必要に応じて専門機関の紹介も行っています。
障害児相談支援事業所
障害児についてのあらゆる相談をすることが出来る場所です。福祉サービスの利用計画の作成や生活支援などを行っています。
福祉サービスを利用するためには煩雑な手続きをしなければならないことも多く、サービスの種類もいくつかあるため、どう利用していくかを相談しながら進めていきます。
親子で地域の施設に行ってみよう!
子育ての相談を出来る人が周りにいない場合や交流の場が欲しい場合などに訪れたいのが、子育て支援センターや図書館です。
交流の場となるだけではなく、イベントや講習会などに参加することで、様々な情報を得ることも出来ます。
特に赤ちゃんの時期は家で過ごすことが多くなるので、一緒に外へ出かけることで気分転換にもなります。
施設の案内は、市区町村のホームページなどに掲載されており、近くの施設を探すことが出来ます。
子育て支援センター
親子の交流の場を提供しているほか、看護師や保健師など専門の職員による相談会や育児に関する講習会などを開催しているところもあります。
初回のみ登録が必要な施設もありますが、予約をする必要がなく、気が向いたときに行けるのが魅力のひとつです。
図書館
定期的に読み聞かせイベントを行っているところも多く、プログラムによっては赤ちゃん連れで参加することが出来ます。
少しでも気になることがあれば相談を
子育て中は子どもの成長に合わせて様々な悩みが出てくるものです。些細なことでも一人で抱えているうちに不安が大きくなってしまうこともあります。
近年、地域での子育て支援に力を入れている自治体は多く、専門の支援員を配置したり、子育て支援センターの数を増やしたり、リニューアルしたりするなど子育てしやすい街にしようという試みが各地で行われています。
こうした自治体の子育て支援を利用し、心と体にゆとりを持って、子どもとの関わりを大切にしていきたいですね。