現代人の多くが抱える「冷え」は、生理不順、不妊、免疫力の低下など様々な不調の原因になると考えられています。
冷えの原因は血流が悪いこと。血流が悪いと卵巣や子宮など妊娠に大切な機能に影響を及ぼすことも。また、母乳は白い血液と言われるとおり乳房の中の毛細血管に取り込まれた血液から作られます。母乳には良い血流が必要!
そこで今回は、手軽に身体の中から温められる“生姜”のパワーをお伝えします。ぜひ生姜を生活の中に取り入れて、冷え知らずの身体を目指しましょう。
生姜っていいの?
身体を温める、血流を改善する、香りによるリラックス効果が得られる、代謝を促進するなど、女性の身体に万能な生姜です。
生姜の栄養素
生姜は加熱することで栄養素が変化します。
生の状態の栄養素は「ジンゲロール」。
ジンゲロールには殺菌作用や抗菌作用があります。寿司に生姜の甘酢漬けであるガリが添えられるのはこの殺菌作用によるものです。血流をよくし末端を温める効果もあります。
一方、加熱後にできる栄養素は「ショウガオール」。
末端を温めるジンゲロールに対して、ショウガオールは身体の内部、芯からじわじわと温めてくれます。妊活や産後に有効な温め効果はこちらのショウガオールです。生姜を加熱して作る生姜シロップの作り方を次項でご紹介します。
生姜のパワー
インドの古い医学書には「生姜は神からの治療の贈り物である」と書かれているそうです。
また、イギリスではペストが流行した際、生姜を多く食べている人に死者が少なかったことからジンジャークッキーやジンジャーブレッドが一般化したとも言われています。
漢方でも「生姜は百邪を防御する」と古書に記され「万病の妙薬」とも呼ばれており、アーユルベーダにおいては「偉大な薬」と賞賛されているそうです。
また、タイの伝統産後療法ユーファイでは産後には生姜湯を飲むことが大切とされています。
母体及び子宮の回復、母乳の生成に効果的とされ、高度医療を提供する現代の病院でも産後の入院食には毎食生姜パウダーが出されるほどです。
このように、生姜パワーは世界中で古くから認められ活用されてきたことがわかります。
生姜シロップで簡単ジンジャーライフ
手軽に作れ、日常に生姜パワーを取り入れることのできる生姜シロップの作り方をご紹介します。ドリンクから料理まで、様々な活用法で無理なく楽しくジンジャーライフをはじめてみてはいかがでしょうか。
作り方
<用意するもの>
生姜 150g
砂糖 150g
水 100cc
<作り方>
- 生姜をスライスします
- 鍋に敷き詰めてさとうをふりかけ2-3時間置きます
- 水分が出てきたら水を入れ、20分煮ます
- 容器に移して冷ましたら冷蔵庫で保管します
「自家製ジンジャーシロップ」と聞くとなんだかおしゃれでハードル高く感じますが、実際はとても簡単。
授乳中のスパイスが気にならないようでしたら、シナモンやクローブ、ブラックペッパー、タカノツメなど好みのスパイスを水と一緒に加え、お気に入りのオリジナルアレンジを見つけてみてください。
生姜シロップの活用法
▼生姜ドリンク
お湯を注いでホットドリンクに。
はちみつとレモンも合わせてポカポカに。
紅茶に入れてもジンジャーティを楽しめます。
デカフェティのアクセントにもなりますよ。
炭酸水で割って自家製ジンジャーエールも。
自宅でカフェ気分が味わえ手軽にリフレッシュ!
▼ドリンク以外の活用法
スライスした生姜は一緒に保管しましょう。細かくつぶしてジンジャーペーストにしておくと、より気軽に使えます。先ほどご紹介したドリンク一緒に飲んでもいいですし、料理にも大活躍です。
豚肉と一緒に焼いてしょうが焼きに。
甘みも調整済なので、焼いた豚肉に醤油と合わせるだけで旨味のある、生姜感満載のしょうが焼きが完成します。
ひき肉との相性抜群。
ひき肉を炒めて調味料を加える際に足すだけで、香り高いガパオが出来上がります。隠し味としてドライカレーに入れるのもおすすめ。短時間で作れるひき肉料理の味わいを深めてくれる生姜スライスは、ゆっくり料理に時間を取れないパパママの強い味方です。
常備菜に肉味噌を作っておくのも便利。
こちらもひき肉と生姜を炒め、味噌、醤油を加えて煮詰めれば完成です。時間がないランチタイムには、白ごはんに乗せて食べるだけでも美味しいですし、チャーハンの具にも。豆板醤を加えて味噌ラーメンに乗せれば手軽に担々麺気分を味わえます。
お菓子作りにも大活躍。
刻んで混ぜればいつものスイーツがジンジャーケーキやジンジャークッキーに!
究極に簡単!タイの伝統産後療法直伝「煮るだけ」生姜湯の作り方
簡単にできる生姜シロップですが、それでもスライスしたり待ったり、面倒!という時には、超簡単「煮るだけ」生姜湯もおすすめ。
タイの伝統産後療法であるユーファイ師直伝の作り方は、しょうがを丸のまま叩いて、煮るだけ!と、極めてシンプル。そのまま飲んでも、はちみつなどで甘みを足しても飲みやすくなりますよ。
ジンジャーライフからハッピーライフを始めよう
妊活中や赤ちゃんを迎えての生活の中で、何を摂ったらいいのか、また何を摂らない方がいいのか、たくさんの情報に悩むことも多いと思います。
今回ご紹介した生姜にも、刺激があって母乳が美味しくなくなるなどの意見があることも事実です。もちろんどんなものでも摂り過ぎることで害も生じます。
ただ、効能を知り実践してみようと思い立ったり、実践することで生活がちょっと楽しくなったり、とにかくパパママが気負わずストレスを感じずに過ごせること。
それこそが、これからやってくる赤ちゃんにとっても、いま目の前にいる赤ちゃんにとっても、何よりハッピーなことではないでしょうか。
ジンジャーライフが、そんなハッピーライフのきっかけになるといいなと思います。