離乳食が始まり、これまでの進み方はどうでしたか?後期食への移行の目安は生後9ヶ月と言われているので、生後9ヶ月を過ぎると、そろそろ離乳食も後期にしなきゃ…と焦るママやパパも多いと思います。
とは言え、まだまだ発達の個人差も大きく、不安定さもある時期です。
月齢での目安に囚われ過ぎずに、それまでの離乳食の進み具合や赤ちゃんの様子を見て、後期食へ移行できるかどうかを決めていきましょう!
今回は、離乳食後期へと移行するタイミングと、ママやパパの負担が大きくなる後期食の介助のポイントを紹介していきます。
離乳食後期への移行のタイミング
生後9ヶ月になると、四つん這いのはいはいやつかまり立ちなど、全身運動の発達が見られます。
また、乳歯が生えたりつかみ食べを始めるなど、口内や指先も発達し、離乳食後期へと進めていく準備ができてきます。
そんなめざましい成長が見られる一方で、自分自身で免疫を獲得していく時期ともなり、体調を崩しやすくなります。
心の面でも、慣れた保育者の姿が見えないと泣いたり後追いが始まる頃でもあり、夜泣きをする赤ちゃんも多いでしょう。
さらに、離乳食を後期(3回食)に移行すると、ママやパパの準備や片付けの回数も増えることになります。
毎日のことなので、赤ちゃんの為にとママやパパが頑張りすぎてしまうと疲れてしまいますね。
みんなが無理をせずに後期へと移行するタイミングは、どう見極めればいいのでしょうか?
考慮しておきたいポイントを挙げていきます。
モグモグはできているか
離乳食中期は「モグモグ期」と呼ばれ、舌全体を使ってモグモグと押しつぶして飲み込む時期でした。
後期は、「カミカミ期」と呼ばれています。乳歯が生えてくる子が多く、舌も上下だけでなく左右にも動かせるようになるので、食材を前歯で噛んだり、奥の歯茎まで使って食べられるようになっていきます。
カミカミ期へ移行する前に、次のポイントをチェックしてみるといいでしょう。
・食材を丸のみしていないか
・舌や顎を動かしてしっかりとモグモグして食べられているか
丸のみをしてしまった後に、モグモグと口だけを動かしている場合もあるので、顎や喉の動きをよく観察してみるといいかもしれません。
後期食では、固さもあるものになってくるので、丸飲みしてしまうのは直していきたいですね。
複数の食材を使ったメニュー
中期になり、食べられる食材は増えてきましたか?
食べられる食材の偏りはあったとしても、複数の食材を使って調理されているメニューを食べた経験があると、後期食に進めやすいです。
例えば、お豆腐や野菜を入れた「煮込みうどん」などです。
離乳食が3回になると、準備はほとんど大人のご飯と一緒にするようになっていくと思います。
ひとつの食材だけでなく、2つ以上の食材が入っているメニューに慣れてからの方が、無理なく移行できるでしょう。
食への意欲
この時期の赤ちゃんは、ママやパパを基地としながらも、自分の力で動ける範囲も増え、興味の幅が広がってきていることでしょう。
離乳食を全く食べたがらずにおっぱいを欲しがる、一口食べたら嫌がってしまうなど、赤ちゃんによって様々だと思います。
本人に食事への意欲がないと、毎食の介助も大変ですよね。
その日の体調や食材の好みなど、日によってムラがあるのは当然なので、無理に進めようとしなくても大丈夫です。
食事への意欲が高まり、手づかみで自分で食べようとしたり、10分〜15分程度集中していられる日が多くなると、次の段階への移行もスムーズかもしれません。
離乳食後期を無理なく進める関わり方
離乳食の回数が2回から3回になると、食事時間だけでなく準備や片付けも増えるので、パパやママのやることもグッと増えてきますね。
2019年厚生労働省の調査結果によると、「離乳に関して何かしらの悩みを抱えている」と回答した人は7割にのぼり、その理由の1位は「作るのが負担、大変」でした。
ママやパパの離乳食疲れにならないように、赤ちゃんへの関わり方を見直してみましょう。
大人の夕食と離乳食の献立は同じでいい
離乳食後期からは、ぶりやマグロなどの赤身の魚や、豚肉や牛肉などの肉も食べられるようになってきます。
(ただし、なるべく脂肪分の少ないものから始めましょう)
摂取できるタンパク質の種類が増えることで、段々と大人の献立と同じメニューが食べられるようになります。
始めのうちは調理段階で分けなければいけませんが、「離乳食メニューどうしよう…。」と悩む必要はなく、自分の食べたい献立から、離乳食用へと少し工夫をしてあげれば大丈夫です。
赤ちゃんが気に入った献立があれば、少し多めに作って冷凍しておくのもいいですね。
毎日毎回違う献立にする必要はなく、大人向けの献立の時には、冷凍しておいたものやレトルトを活用していくと便利です。
できる時に手づかみ食べを
片付けは大変になるのですが、この時期の手づかみ食べは経験させておくことをお勧めします。
食事への意欲や食材への興味が高まったり、「腕を伸ばして掴み、食べる」という距離感を掴めると、後々のスプーン食べにも繋がってきます。
1番最適なのは、野菜スティックです。赤ちゃんの握りやすいサイズに切った蒸した野菜(人参・大根など)は冷凍もしておけるので、手軽です。
好みの野菜で作るおやきも、手づかみ食べしやすく、お勧めです。
とは言え、やはり片付けが大変なのは事実。特にご飯やスープなどは、手で食べようとすると汚れがちだと思います。
毎回手づかみをしようとしなくても、手づかみしやすいメニューが準備できたときに、という心持ちでいいでしょう。
1回の食事に一喜一憂するよりも、日中にたくさん遊んでお腹をすかせるようにするなど、生活リズム全体を整えることも食事に繋がりますね。
場所や時間でメリハリを
食事の時間が辛いと思ったときのおすすめの対処法は、食べる場所を変えることです。
夕食の場所を変えるのはなかなか難しいので、お昼ご飯を支援センターや児童館などで食べると気分転換にいいかもしれません。
支援センターなどには、同じような年代の親子がいたり、経験豊富な支援スタッフがいることが多いので、実際に赤ちゃんが食べている姿を前に相談することもできるでしょう。
さらに、食事時間は15分程度を目安にし、食べなかったとしてもおしまい、と切り替えていくことも大切ですね。
介助するママやパパも余裕を持って関われるように、抱え込まずに色々なものに頼っていきましょう。
離乳食後期を楽しむために
今回紹介した、生後9ヶ月の離乳食後期を始めるタイミングと関わり方のポイントをまとめます。
離乳食後期への移行のタイミングの目安は、
・丸のみせず舌と顎を使ってモグモグはできているか
・複数食材のメニューを食べられるか
・食への意欲はあるか
離乳食後期を無理なく進めるための関わり方は、
・赤身など食べられるタンパク質の量が増えるので、大人と同じ献立に
・できる時に野菜スティックなどで手づかみ食べをしよう
・食事場所を変えたり、時間を15分程度で終えるなどメリハリを
食事は毎日続いていくことなので、赤ちゃんだけでなく、ママやパパも楽しい時間にできるように色々と試してみましょう。