待望の妊娠には、つい心が浮かれてしまいますよね。しかし、トイレで出血の跡を確認してしまい、絶望感に苛まれている方も少なくはないはずです。
とはいえ、妊娠初期の出血が、すべて最悪な結果を呼ぶものではありませんので、その点は安心してください。
では、妊娠初期の出血には、どのような種類があるのでしょうか。また、危険だと言われているこの時期の出血の対処法には、どのようなものがあるのでしょうか。それぞれ具体的に説明していきます。
妊娠初期に出血してしまう理由
妊娠初期に、大小関わらず出血の経験がある女性は意外と多いとされています。まだ赤ちゃんが不安定な時期に出血となると、眠れないほど不安な夜を過ごすことでしょう。
ただ、妊娠とは無関係だと捉えられがちなのが出血です。では、どうして多くの女性が、妊娠初期に出血経験があるのでしょうか。その主な理由をご紹介します。
着床出血
精子と卵子が出会って子宮内に到達することを着床と呼びますが、着床の際、子宮内膜の血管が傷付けられてしまうことがあります。その際に出てしまうのが、着床出血です。
着床出血は、生理予定日の1週間前~当日にかけて起こる確率が高いこと、出血をしても2~3日程度で治まるという特徴があります。
出血量も少量で、茶色がかった色をしているため、そこまで緊急性を感じなくても大丈夫でしょう。
子宮膣部びらん
子宮膣部びらんは、子宮の入り口付近がただれている状態のことです。女性ホルモンが活発化している生理前に起こりやすいもので、病気ではありません。
ただ、細菌などへの抵抗力が弱いので、少しのことで出血を起こしてしまう特徴があります。
子宮膣部びらんが原因による出血は、少量~おりものに混ざる程度で、茶色がかった色をしています。
炎症が治まらないことには出血も治まらないので、なかなか出血が止まらないと感じた場合は、婦人科で見てもらいましょう。
流産
妊娠初期の出血の多くは、切迫流産や流産によるものです。実は、流産が起こる確率は、全妊娠の15%ほどにも上ると言われています。
妊娠初期の流産の原因は、ほぼほぼ胎児側にあるとされています。染色体異常などの何らかの原因で、そのまま妊娠が継続しても、無事に出産できる見込みはないと赤ちゃん側が判断したのです。
せっかく授かった命を産み落とせなかったという絶望感は否めません。しかし、赤ちゃんがお母さんに残してくれた小さな親孝行だと思って、次の妊娠に希望を持ちましょう。
子宮外妊娠
赤ちゃんは子宮の中で育ちます。しかし稀に、子宮外に卵が着床してしまうケースもあるのです。それを、子宮外妊娠と呼びます。
子宮外妊娠は、放置しておくと、母子ともに危険な状態になってしまう恐れがあります。
鮮血が出ていて徐々にお腹の痛みが強くなっている場合は、子宮外妊娠の疑いがありますので、早急に婦人科にかかるようにしましょう。
緊急を要する場合の妊娠初期の出血
妊娠初期に出血が見られた場合、その出血に緊急性があるのか否かを判断する必要があります。
ただ、素人判断では不明点が多いと思うので、少し様子を見てからかかりつけの婦人科へ連絡を入れると良いでしょう。
では、緊急を要する出血とは、どのような状態のことを指すのでしょうか。それぞれ順番に説明していきます。
鮮血で出血量が多い
妊娠初期の出血といっても、着床出血のように茶色がかったものや、おりものに少し混ざる程度の出血であれば、特に問題はないとされています。
問題があるのは鮮血で、生理中のような真っ赤な出血が見られた場合は、注意が必要になります。
ただ、一度きり、少量という場合は、安静にしていると自然に治ってくれることも。まずは、数時間前と今の出血の違いを把握するようにしましょう。
生理痛よりも酷い痛みがある
出血に伴って、お腹の痛みを感じるようであれば、それが生理痛と同程度か否かをチェックするようにします。
万が一腹痛がある場合は、それが規則的なのかそうでないのか、規則的な場合はどれくらいの周期で痛みが訪れるのかをノートなどにメモをしておきましょう。
固形物が出てしまった
妊娠初期に出血をした場合、どれくらい出血をしているのか、出血の色は何色なのかと気になって、出血をまじまじと確認する方が多いでしょう。その出血の中に、固形物があるかどうかも確認をしてください。
万が一固形物が確認できた場合、残念ながらそれはお腹の中にいた赤ちゃんの可能性があります。
固形物を手に取ることができたのであれば、それを婦人科に持っていき、それが本当に赤ちゃんなのか、出血の原因は何なのかを調べてもらう必要があるでしょう。
妊娠初期に出血してしまった場合の対処法
妊娠初期には、特に問題はないとされている出血と、緊急性を要する出血の両方が存在しています。
しかし、素人判断では危険を伴う可能性も。ひとまず冷静になって、状況を把握することが重要です。
その上で、かかりつけの婦人科へ連絡を入れ、対応をお願いするようにしましょう。具体的な対処法の内容は以下でご説明します。
ひとまず冷静に、そして安静に
妊娠中にも関わらず出血を確認してしまったら、どうしてもパニックになってしまいます。ただ、そこは一度冷静を保って、ベッドで横になりましょう。
横になることで、出血やそれに伴う腹痛が治まっている感覚があるのであれば、とにかく安静あるのみです。
必要以上に動くようなことはせず、まずは家族やかかりつけ医に連絡を入れましょう。
数時間前と今現在の状況を見比べる
妊娠初期の出血は、そこまでレアケースではありません。したがって、一度出血を確認したからといって、婦人科から「すぐに病院に来てください」と言ってもらえるケースは稀です。
まずは、その出血が、数時間前とどのような変化があるのかを確かめてください。数時間前に比べて落ち着いているようであれば、あなたには安静が必要なのかもしれません。
反対に、数時間前と比べて症状が悪化していると思われる場合は、早急に婦人科に連絡を入れ、赤ちゃんの状態を見てもらう必要があるでしょう。
妊娠初期の出血はそこまでレアケースではない!安心感を得るためにも一度婦人科へ相談を
妊娠初期の出血は、着床出血のように特に問題がない場合と、緊急を要する場合の2通りがあることが分かりました。
ただ、あなたの出血がどちらに当たるのかは、時間をかけて様子を見てみないことには判別が付きません。
少し不安ではありますが、一度冷静になって横になり、出血や腹痛が治まる気配があるかどうかをチェックしましょう。
もし出血や腹痛が治まったとしても、不安な気持ちは残るでしょうから、次の健診の前に一度診てもらっても良いかもしれませんね。